フリーランス

独立の手続き(開業準備、会計準備)

前回は退職時期の調整について説明しました。退職日が決まったら開業の準備をします。(並行して業務受注を進めましょう)
ここでは少なくとも最低限フリーランスになる手続きとして以下について説明します。

  • 開業届を提出する
  • 事業用銀行口座を開設する
  • 銀行口座に紐づくクレジットカードを作成する

それぞれ順番にお話します。尚、ここでは僕が調べた内容も含みますが、基本的に僕の経験が中心となります。利用する会計サービス、開設する銀行口座、クレジットカードはお好みに合わせて各自で検討してみてください。

開業届を提出する

フリーランスになること=開業することです。『開業する』の定義は、『税務署に開業届を提出すること』です。開業届の是非(メリット・デメリット)についての詳細は、こちらの外部サイトを参照してみてください。
フリーランスエンジニアには開業手続きをされない方も多くいらっしゃいますが、開業手続きをすることで青色申告が申請できます。青色申告の詳細については別記しますが、ひとまず大きな節税効果がある、とご理解ください。特殊な事情を除き、青色申告が可能となるという意味で、開業届を提出するデメリットは少ないでしょう。

その他には屋号が得られる+なんとなく公的認可を受けたかった、ということで僕は開業手続きをしました。(そもそも申請しないと違法行為にあたるとの見方もあるようですが)
上記リンクのほか、「開業届 メリット」などで検索してみて、念のため、自分にとってデメリットとならないか確認してみてください。致命的なデメリットがなければ、すぐに手続きをしましょう。

実際の手続きは、開業届(正式名:個人事業の開業・廃業等届出書)を記入し、最寄りの税務署に①郵送 or ②窓口に提出、のいずれかなのですが、僕は自宅から税務署が遠いので郵送しました。
また、開業届はフォーマットに従って記載する必要があるのですが、(字が汚く手書きが自然災害の次に大嫌いなので)僕は freee という会計サービスを利用して作成しました。以降 freee のサービスを継続して利用しています。また、このときに青色申告申請書(正式名:所得税の青色申告承認申請書)もあわせて提出しました。開業後の青色申告申請には期限があるため、ここで忘れずに提出するようにしましょう
また、開業届に屋号を記載しますが、屋号を日常的に公開する機会はありませんので、それほど凝った名前である必要はありません。但し、法的な手続きで記載する機会がそれなりいあるので、「ずんどこべろべろ」みたいな適当な名前をつけないように気を付けましょう。[1]ちなみにうちの屋号は「SmilE」です。これは当時 The Beach Boys … Continue reading

尚、会計サービスについては別記しますが、基本的に導入はマストと考えてよいです。会計サービスは freee のほかに幾つもあり、マネーフォワード、弥生あたりが人気のようです。特にマネーフォワードは非常に評判もよく、情報を収集したうえで迷ったらマネーフォワードの無料版を試してみるのがよいと思います。
僕は独立にあたって、税金の知識を収集した際に freee のサイトをよく参照していたため、恩返しの意味で利用を始めたという経緯がありますが、充分満足しています。

そんな感じで作成した開業届を日曜日の夕方に(犬の散歩がてら)ポストに投函したのですが、その週の木曜午後には控えが返送されました。早いのか遅いのかはわかりません。

事業用銀行口座を開設する

開業届の控えを使って事業用の銀行口座を開設します。なぜ事業用に開設する必要があるかはいろんな人が教えてくださるのでそちらを参照してください。要するに確定申告が格段に楽になるためです。尚、特殊な事情を除き、確定申告は必須です(国税庁公式)。確定申告しないと脱税となり、立派な違法行為です。言うまでもなく、納税は国民の義務ですが、確定申告は納税の準備行為に該当します。詳細は別記しますが、確定申告とは要するに、その年の所得を確定させ、それに基づいて税金を算出して税務署に申告する行為です。なぜ会社員が確定申告をする必要がないのかと言うと、会社が確定申告にあたる行為(源泉徴収と年末調整)を代行しているためです。

さて、銀行口座に話を戻します。
僕は選んだ銀行は freee が提携している PayPay 銀行(旧:ジャパンネット銀行)です。[2]PayPay 銀行:名前がちょっとアレですが…まぁ、仕方ないですね
調べたところ、個人事業主向けの口座開設には、開業届の控えが必要な旨、どこかに書いてあった気がしたのですが、別の銀行でしょうか。Web で申請しましたが、開業届の控えを提出することもなく、身分証画像のアップロードと屋号の入力くらいしか求められませんでした。PayPay 銀行はネットバンクなので、当然 Web からの申込みになります。

そんな経緯で木曜の 20時過ぎに申請し、キャッシュカードを受領したのが翌々週の水曜日でした。公式サイトには到着まで最大 7営業日とあったのですが、祝日を 1日挟んでいたため、まあだいたい宣言通りと言っていいでしょう。銀行口座が作りにくい昨今ですので、簡単に作れただけよいかなと思います。キャッシュカードは黒地に白文字の高級なデザインで、貧乏人だとわかりづらく満足しています。また、ワンタイムトークンを払い出すカードが同封されていたのですが、これがボタンひとつで液晶に番号が表示されるもので、手続きに都度必要になります。いやはや、すごい世の中になったものです。

キャッシュカードにははじめから Visa のデビッドカードが備わっていて、早速口座に入金して備品を購入しました。デビッドカードなんて持つことになるとは自分でも驚きです。

ちなみに提携など関係なく、純粋に銀行を選ぶのであれば住信SBIネット銀行がおすすめです。振り込みや振替の無料枠が広く素晴らしいです。しかしこれに気づいたのは証券口座を開いてからでした…未だに後悔しているのでこれから口座を開設する方はご注意ください。

銀行口座に紐づくクレジットカードを作成する

無事口座も開設できたので、早速口座に紐づくクレジットカードを申し込みました。クレジットは口座と同じく、freee と提携しているもの[3]本当はアメックスがよかったのですが、日和って master カードに…を申込み、翌日には与信 OK の連絡がありましたが、その後すぐに 5月の連休に入ってしまったので、到着まで 2週間程度かかったのを覚えています。実際は 5営業日くらいだったのですが、急ぐような状況では注意が必要です[4]尚、連休中にエアコンなど大きな備品を幾つか購入したのですが、すべて上記 Visa で決済したので、なんだかなぁ~、と思いました。
ちなみに、最近ではクレジットカードがいきなり届くのではなく、まず郵便局から発送の通知があり、そこから自分で身分証(免許証番号とか)を添えて電話 or ネットで申し込むことで発送されました。厳しくなったものですね。
実際、僕は通知をもらってすぐに Web から配送を申込み(配達日を翌日に指定)、その際に免許証番号を予め提示し、クレジットカード到着の際に配達人に免許証をみせて受け取ることができました。その後すぐに上記銀行口座を紐付けました。紐付けの申請自体は Web からすぐに登録できましたが、そこから実際に手続きが完了するまでにたぶん1週間以上かかったと思います。

その後恐る恐るクレジットカードで買い物をしたのですが、無事に決済されました。収入が途絶える可能性がある状況だったので、少し安心しました。


以上で開業の準備としては完了です。口座の開設は業務契約時に必要になりますので、開業届の申請からあわせて迅速に対応する方が望ましいでしょう。

次回は業務の受注についてお話できればと思います。

脚注

脚注
1 ちなみにうちの屋号は「SmilE」です。これは当時 The Beach Boys の「SMiLE」をよく聴いていたため、そのまま拝借しました。ええ、そんなもんですよ、屋号なんて。
2 PayPay 銀行:名前がちょっとアレですが…まぁ、仕方ないですね
3 本当はアメックスがよかったのですが、日和って master カードに…
4 尚、連休中にエアコンなど大きな備品を幾つか購入したのですが、すべて上記 Visa で決済したので、なんだかなぁ~、と思いました。
ABOUT ME
yo
フリーランス、システムエンジニア。

営業・販売、肉体労働などを経て 2007年から IT 業界に従事。文系出身かつ未経験者のため立上りに大変な時間と労力を要する。

新規システム開発を提案から設計・実装・保守・運用まですべての工程を担当する(実装は主にサーバサイド)。その傍ら、他業種・他職種の経験や上記立上りの経験を活かし、教育や業務標準化など、組織の育成に勤む。

私立大学現役合格、現役中退。基本情報・応用情報技術者取得、高度試験はモチベーション確保という観点から見送り。普通免許ゴールド保持者。

趣味は犬。