食事は大切だ。人間は食べたものでできているからな。
食事が人生で最も重要な要素のひとつであることに異論はないと思います。長期的な健康ももちろん重要ですが、SE であれば頭を使うのが仕事なので、何を食べたか(食べているか)で仕事のパフォーマンスは大きく変わります。
まず最初に断っておきますが、食事と睡眠の重要性は実務や学習とは比べ物になりません。どれほどの能力があったとしてもこれらを軽視すると本来のパフォーマンスが発揮できません。人間の身体能力として基礎的な部分と考えてよいと思います。逆に言えば、これらを充実させることができれば、生活すべてにおいて高いパフォーマンスを発揮できるということになります。業務であっても趣味であっても効率も上がるし、何より成長を実感しやすくなるという意味で人生が楽しくなるでしょう。
そもそも僕はフリーランスで体調を崩して仕事を休むとその分売上が減少します。重い病気で数ヶ月仕事ができないと生活が立ち行かない事態にもなりかねません。そういった事態を予防するという意味でも健康維持への取り組みは必須です。会社員であっても体調を崩しては幸福感も下がるし、病気をして余計な費用がかかったり、場合によっては完治しないことすらあります。余計なお世話かもしれませんが、経済的にも肉体的にも健康への投資は優先度を高めるのはいかがでしょうか。
尚、食事に関する書籍は無数に存在し、医学的に効果が認められたものも多くあります。書籍の数が膨大なのと、実際の効果は「人による」っていうこともあり、今回は数多ある書籍の中でも共通して認められている通説のうち、投稿者が実際に採っている食事を紹介して、気にしているポイントを解説します。専門家ではないので、医学的な論拠などは極力廃し、ビジネスパーソンとして、SE としてパフォーマンスが出る食事について実体験をお伝えします。
僕はエンジニアになりたての頃は BMI 25.3 のちょいぽちゃだったのを、様々な食事法を試して、10 年ほどでようやく 20 kg の減量に成功、独立してからは運動量を増やしそこから 5kg ほど増量して、現在は BMI 20 を前後する体重に安定してます。今回はその工程で色々と試した結果、現在の最適解を紹介します。
推奨する論拠としては僕自身の体調と体重の安定、また 2023 年時点で先天性の持病と視力以外は健康診断ですべて A 判定であることでしょうか。また、今回の話はダイエット法ではなく、あくまで食習慣の話となります。ダイエットは一時的に減量(健康回復)をするだけで、ダイエットをやめたらもとに戻るという意味で、無意味な行動だと考えています(言葉悪くてすいません)。食習慣の改善で継続性のある健康法の参考になれば幸いです。
ポイント
僕が実際に行っている食事のルーティンとポイントは以下の通りです。
- 朝食はとらない
- 昼食は 14 – 16 時にとる
- 晩酌を夕食の代わりとする
- 間食は一切取らない
- 空腹は予防する
- 通常の食事と娯楽の食事は分ける
食事と呼べるものは昼食のみです。晩酌は絶対に避けたほうがよい習慣ですが、これをやめるとさすがに生きている意味がなくなるので、ほかのところで全力をもって補填しています。
ここで食事に関する通説を幾つか紹介します。テレビではスポンサーとの関係性があるため、絶対に放送されない内容も含みます。
- 現代人は栄養不足でなく、食べ過ぎによって病気となる
- 肥満や病気の原因は糖質が大半
- 世に出回っている食べ物の大半は毒
- 下手なものを食べるくらいなら食べないほうがマシ
これらを踏まえてそれぞれの工程と背景について説明します。詳しくは言及しませんが、概ねどの書籍でも口を揃えて述べられている内容となります。
最後によくある反論も紹介しますので、是非最後までご覧ください。
朝食はとらない
朝食の是非ついては諸説というか賛否両論ありますが、肉体労働者でなければ必要ないという説が体感的に有力だと思います。
僕は幼少の頃から朝食に 30 分近くかけて大量の朝食を食べるのが習慣となっていましたが、特に朝に納豆ご飯を食べないと身体が活動しない状態でした。そのせいもあって自分は納豆か味噌汁がないと活動ができない体質かと思っていました。実際はそれも幻想で、直近 5 年以上朝食を抜いていますが、まったく問題ないどころか、仕事開始時のダルさみたいなものはなくなりました。朝食を取らないことの理由は以下のふたつです。
- 胃が空になるよう食べ物を入れない
- 空腹の時間を空ける
冒頭でも言った通り、現代人は栄養不足でなく食べ過ぎによって健康を失う傾向にあります。人体にとって満腹より、空腹のほうが健康を維持する活動に適切とされています。例えば、老化を予防したり、体脂肪を燃焼するといった活動は空腹の場合に起こる現象です。
空腹の状態を作るためファスティングを行います。ファスティングは本来「断食」の意味ですが、ファスティングの健康効果が認められて継続的にファスティングを行うひとが増えてくると、慣習的に「ぷち断食」を表す言葉として使われています。
食後完全に消化が終了するためには、個人差はありますが、10 – 12 時間が目安とされています。この時間は就寝中もカウントされるため、ファスティングが一定の効果を出す時間を確保するためにも、前日最後にとった食事からおおよそ 16 時間を空けるために朝食を抜きます。
但し、長時間水分を摂らないのは危険なため、糖質や塩分のない水分の補給については、身体は引続き空腹として扱う、とされています。僕はブラックコーヒーに MCT オイルを入れて飲むことにしています。かつて流行ったバターコーヒー(無塩バター+ MCT オイル)も試したのですが、体感的に大きな差はないので、手間のかからない MCT オイルだけにしています。
コーヒーは北海道の業者から焙煎した豆を取り寄せ、飲む前に豆を挽いてコーヒー淹れてます。一ヶ月あたり ¥8,000- ほどですが、このあたりの品質に慣れてしまうと外食や市販のコーヒーに戻るのが難しいです(笑)。
また、MCT オイルとは主にココナッツから抽出したオイルのことで、脂肪燃焼や疲労回復に効果があるとされています。
コーヒーと MCT オイルの詳細については「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」が言及しています。この本は僕の食事に対する意識に革命をもたらした一冊となります。ファスティング(断食)やアレルギーによる個人差、野菜の持つ消化阻害物質(シュウ酸)についてなど、大変有意義な情報が満載です。メソッドが極端なのでまったくこれに倣うことは難しいところはありますが、それでも倣うべきところは多いと言えるでしょう。事実この本のメソッドを実行することで行き詰まっていた減量が捗ったり、仕事のパフォーマンスが向上した自覚があります。
昼食は 14 – 16 時にとる
前日最後の食事から 16 時間が確保できたら昼食を取ります。ただ、業務の都合上常に 16 時間確保できないことも多く、理想は 16 時間以上ですが、実際は 14 – 15 時間でもファスティングの効果はあるとされています。昼食のポイントは以下の通りです。
- サラダを必須としてまず最初に食べる
- タンパク質を中心として糖質(炭水化物)は意図的に避ける
- 揚げ物、デザートは口にしない
まずサラダ(野菜)ですが、これが確保できない場合は食事をとりません。これは冒頭で紹介した「下手なものを食べる(或いは下手な食べ方をする)くらいなら食べないほうがマシ」という考えに基づくものです。そしてまずはサラダをほとんど平らげることから食事が開始します。サラダを最初に食べることで血糖値の急上昇を予防できるとされているため、このサラダファーストを実践しています。
そして週の半分以上は主菜、つまり米、麺、パンを避けます。いわゆるおかずのみの食事です。炭水化物の接種は血糖値を乱高下させることが知られていて、肥満はもちろん、食後のダルさの多くは炭水化物によるものとされています。つらい空腹感を引き起こすのも炭水化物が原因で、炭水化物は食べるほどあとで余計にお腹が減ることになります。炭水化物を極力抜いたほうが残り半日を快適に過ごすことができます。
尚、後述する「娯楽としての食事」であれば米も麺も口にしますが、パンはまず食べることはありません。食べたあとの副作用が非常に重いためです。全粒粉のパンなどは別ですが、市販のパンは劇薬と同等に考えてよいと思います。たまに口にした際の眠気は相当なものです。
揚げ物とデザートについては糖質を摂らないことと悪質な脂質を摂らないために口にしません。特に揚げ物が身体に悪いことは誰もが知っていることで、病気の原因ともなりやすく劇薬です。ちなみに僕の好きなフライはカキフライと鮭フライ、好きな天麩羅はピーマンとキス天です。
また、昼食はほぼ外食です。予算は ¥2,000- 以内で済めばかなり安く、たいていは ¥2,000 – 4,000 であることが普通です。ただし、夜食べる野菜や納豆、おつまみは買っています。長いこと自炊していたのですが、今は自炊している時間が惜しいので食事は外食にしています。「食材を買う → 料理をする → 片付ける」の、この時間分仕事をしたほうがコスパがよいという判断です。まったく自分の期待通りのメニューにはなりませんが、料理を外注していると思っています。
特に利用頻度が高いのはステーキハウスとビュッフェスタイルのお店です。前者はライスを断れば、タンパク質中心の食事になりますし、後者はサラダが食べ放題になるからです。
例として僕が通っているステーキハウスのメニューはこんな感じです。
チキンステーキ、ビーフステーキの茸と玉ねぎソース炒め、ポテト、ブロッコリーのセットに目玉焼きとラムチョップを追加しています。これとは別にサラダバーとスープバーが付きます。高タンパク過ぎるとは思いますが、美味しいのでついこの組み合わせになってしまいます。
晩酌を夕食の代わりとする
夕食としては、だいたいサラダボール 1 杯分のサラダと納豆を食べます。サラダにはオリーブオイルと塩を振り、納豆は塩か醤油のいずれかを混ぜますが、タレとカラシは添加物や糖質が多いので捨てます。そして食べ終わったら晩酌を開始します。晩酌のおともは、
- もずく、昆布などの海藻類
- 素焼きしたナッツ類や炒り豆
- サバ缶や煮干しなどの魚類
- キムチなどの漬物や豆腐
- 高カカオチョコレート
これらが定番です。就寝前の糖質は不本意な成長に直結するので、ここでは昼食以上に避けています。おつまみの効能は割愛しますが、いずれも健康効果の高いものかつ、晩酌を豊かにする(=どんどん進む)ものです。
飲む酒の種類ですが、ビール 500ml を最初に飲んで、あとは基本ずっとハイボールです。炭酸水は SodaStream で用意します。また、いただきものの焼酎や日本酒を飲むこともあります。本当は日本酒が大好きなのですが、なぜか我が家に来た日本酒は一升瓶でも 3 日でなくなってしまうため置かないようにしています。たぶん怪奇現象かなにかだと思います。
間食は一切取らない
ここまでで一日の食事サイクルを説明してきましたが、ここからは全体的な注意点になります。
僕は間食を一切取りません。当然旅行中や帰省中は例外です。かつてはボトルガムのヘビーユーザでしたし、職場にナッツを常備していたこともあります。それが今や空腹を楽しむことができるし、そもそも耐えられないほど空腹になることもありません。
ちなみに昼食後はノンカフェインのお茶を飲んでいます。ルイボスティーとごぼう茶がその代表ですが、どちらも美味いうえに食物繊維が豊富でおすすめです。
空腹は予防する
間食が必要ないのは、過剰な空腹感を予防しているためです。先ほどお話しした通り、僕は極力糖質を避け、代わりにタンパク質を中心とした食事をして、良質な脂質を摂ることで空腹を予防することができます。具体的には朝の MCT オイルや昼食の肉や魚がそれに該当します。昼過ぎに腹が鳴ることはありますが、特に空腹感を感じることはありませんし、例え空腹を感じても「ああ、今身体が健康のために頑張ってるなぁ〜」って思うくらいで別に耐えられないということもありません。
通常の食事と娯楽の食事は分ける
ポイントの最後になりますが、僕には趣味と呼べるものがほとんどありません。数少ない趣味が食道楽です。僕は子どものころから給食を二人分食べるくらいの大食漢で、友だちの家で食事をごちそうしてもらう際にも、友人のお母さんから「yo くん来るって聞いたから、お米 8 合炊いといたわよ」と言われるほどでした。二人の兄がいるのですが、三人とも食べ盛りのころは毎日 10 合の米を炊いていました。父は「俺は米のために働いているのか」と嘆いていましたし、僕が一日に 1 リットルの牛乳を 2 本飲み干した際には母親が激怒したのをよく憶えています。
そんなわけで 20 代には立派なジロリアンになりました。そして 40 歳をとうに超えた今でも、夫婦で食事に行くと三人前の量を注文して、聞き返されることもしょっちゅうです。
それが今のような食生活を始めたのは 20 代後半で極端に太ったことがきっかけで、ダイエット法を試していくうちに栄養について学び、仕事はおろか人生において健康が土台にあると強く認識するようになり、健康において最も重要なのは食事と睡眠ということを理解するに至りました。
身体を壊して好きなものを食べられなくなるくらいなら、普段少し我慢して、月に数回好きな食事を楽しむ道を選んだ、ということです。結果仕事でもパフォーマンス向上を実感できています。通常は栄養摂取のための食事(とは言っても慣れるとまったく苦になりませんが)をして、食べたいとき、或いは家族サービスや会食では羽目を外しています。
特に年末年始は数日にわたって豪遊することになりますが、体重が一時的に増加することはあっても、普段の食事に戻すると一週間もしないで体重が戻ります。少なくとも自分に取っては永続性の高い食習慣だと思います。
油断すると、こんなものや、
こんなものや、
こんなものを食べてしまいます。
根はただの食いしん坊というわけです。そんな僕が日常的に制限できているので、ちょっとした知識と習慣で誰でも身に付けることができると思います。
反論
こういった話をすると必ず反論があります。実際この話をするとドン引きされることがほとんどで、反論されることもしばしばあります。よくある反論と僕の意見を述べます。
「会社の規定で昼食の時間がコントロールできない!」
これが現実的に難しいと思いますが、前日の夕飯を早めにするとか、時間をコントロールできる環境に移ればよいと思います。なんなら昼食は摂らないで、間食としてプロテインを摂るとか工夫のしようはあります。「できない!やらない!」じゃなくて「どう実現するか」という観点で考える必要があるかなと思います。仕事でもそうですが。
「糖質が脳の活動に必須だ!」
ここは諸説ありますが、頭をずっと使っていたり、疲れていたりすると人間は糖分を欲するという説があります。ただ、安心してほしいのは「現代の日本人が外食していて糖質を完全に避けることは不可能」ということです。僕が通っているステーキハウスではパンやライスを避けてもステーキの付け合せにポテトが添えてあるし、ステーキソースや調味料、スープにも大抵は小麦が使われています。サラダを頼んでもコーンや乗ってくることもあります。つまり結局のところ糖質は接種することになります。意識的に避けるくらいがちょうどよいと思います。
個人差があるのかもしれませんが、僕はこの生活をしていてプログラミングに差し障ることはありません。実践してみて本当に支障が出たなら考えたらよいことだと思います。
「そんな高い食事代は払えない!」
僕は時間が惜しいのと娯楽の意味もあるので高い食事代を払っています。そういう意図がなければ自炊すれば随分と安く済むはずです。
「空腹に耐えられない」
これは大変わかります。僕も炭水化物を控え始めた最初のころは空腹に悩まされていました。ただ、前述の通り、空腹や空腹による手の震えなどは糖質中毒で起こるものとされています。お腹が鳴るのは体調が良好な証拠なので、健全な状態です。
実際、大抵のひとは糖質中毒で、糖質中毒の身体に対して一気に糖質カットをするのはやはりつらいと思うので、米であれば玄米や雑穀米に、麺やパンであれば全粒粉にするのがおすすめです。それができない場合は主菜を少なめや半分にして、慣れたら徐々に減らすとよいでしょう。但し、主菜の少ない食事は満腹感を感じにくいので副菜を増やすことで補うとよいと思います。
「持病で極端な食事はできない、医者に高タンパク質は制限されている!」
個別の事情まではしらねーっす。医師と相談してください。
いずれの反論も「現状に問題を感じるなら、問題を明確にして、対策を立てて実施する」という仕事では基本的なことをせず、「できない理由さがし」をしているように思えます。或いは自分が否定された気になって文句を言いたくなるのかもしれませんが、半ば世捨て人のような僕がいちいち会ったこともない他人を否定するつもりもありません。好き好んでひとに嫌われたくもありません。問題がないと思うのであればよいですが、問題を感じるなら今回の話が取っ掛かりの一助となれば幸いです。
どれだけ高級な化粧品で見た目を取り繕っても食事が不充分だと根本的な解決にはなりません。動物はその見た目すら食事や睡眠で変わるということを覚えておくとよいと思います。どれだけ運動をしても良好な睡眠をとったとしても、身体に悪いものを口にしては台なしになりかねません。身体に入れたが最後、あとは勝手に消化吸収されます。そういった意味でも本来身体に入れるものは、
- 一緒に仕事をするひと
- 一緒に食事をするひと
- 一緒にアレをするひと
と同等に吟味する必要があります。
食事はすべての活動の源泉であり、その重要性はこんなチンケなブログでは語りきれませんので、今回はあくまでビジネスパーソン、エンジニア目線での記載に留まることになります。