これから手に職をつけたいと思うものの、一体何をしようか迷っている人に対して、僕なら迷わず「システムエンジニアになりましょう!」と答えるでしょう。
別のところでも言っていますが、2021年時点、システムエンジニアの需要は高まる一方であり、落込む見込みはまったくありません。もしあなたがプログラマやシステムエンジニアへの転職に興味があって迷っているなら、後押しというか、参考のひとつになれればと思い本記事を書くことにしました。
未経験からシステムエンジニアになることはちょー簡単ではありませんが、特段難易度が高いとは思えません。ほかの専門職と比較した場合、例えば電気系のエンジニア、建築系のいわゆる大工さん、弁護士などの法律家、医療関係、研究家、学者…うーん、どう考えても、たぶんシステムエンジニアの方が簡単です。僕自身は当然それらの職業になったこともなければ知見もありません。ただ、僕がシステムエンジニアになった頃、年齢は 27歳を間近に控えていましたし、システムエンジニアがなんなのかもわからないまま、当時働いていた職場が過酷だったので急いで転職活動をしていたところ、求人広告の「未経験者歓迎」の文字につられて応募しただけなのです。上記にあげた職業で、そんな動機で就くことができる仕事があるでしょうか。ないですよね、たぶん。
というわけでシステムエンジニアがほかの専門職より敷居が低いポイント、ほかの専門職と同様に難しいと感じるポイントについて説明していきます。
敷居が低いポイント
資格が不要
まず、システムエンジニアに独占資格はありません。医師、弁護士、建築士、不動産業者のように特定の資格がなければ業務ができないということはありません。なんなら明日から僕の甥っ子(13歳)が明日から「僕は今日から SE だ!」といったところで、変な空気にはなるものの、特に非難されることはないでしょう。
資格が不要という点は最初のハードルとしては非常に重要で、資格が必要であれば、その職業になるために、相応の時間や対価が必要なだけではありません。定期的な更新も必要になり、その都度時間や対価が必要になります。
尚、IT 業界にも数多の資格がありますが、それらの多くはその工程に意味あれど、持っていいて得したことは一度もありません。これについては別途機会があれば説明します。
学習に充てる時間が捻出しやすい
これは実技のある専門職、例えば医師や電気技師など、座学だけで習得できない類のものと比較した場合になります。システムエンジニアは PC とネットワーク環境があれば、業務として充分に完結します。そのため、学習するにも PC さえあればどこでも学習が可能です。座学も実技も PC 内ですべて網羅できます。これも非常に重要で、いつでも練習ができるというのは、自分の努力しだいで費やすることのできる時間が増やすことができる、ということになります。何をなすにも量は非常に重要です。偉大な成果の背景にはいつだって圧倒的な時間が後ろ盾として存在しています。
そして就業中にもわからないことをスキマ時間などで学習できる敷居の低さ(内容の難易度はさておき)もよい点でしょう。お医者さんが施術中に「うーん、わかんないなぁ、帰りの電車で調べるかぁ」ってわけにはいきませんからね。
膨大な暗記を必要としない
IT には膨大な情報量があるイメージがあるかと思います。確かに利用される技術は千差万別のうえ、技術自体も日進月歩です。3年前流行したものがもう古いなんてことは日常茶飯事です。ただ、別の記事にも書きましたが、どの技術にも大枠の概念というものがあり、何かには分類可能です。エッセンスをある程度理解してしまえば、新しい技術であっても、それがまったく新しい概念でない限り、以前にあったものとの差分程度の知識で理解できるようになります。
まったく丸暗記が必要ないというわけではありませんが、普通の資格勉強、受験と比較しても実務で必要な知識はだいぶ限られます。そのうえ、IT という職業柄 PC を常に携帯しているため、知らない言葉はすぐに調べることができます。
理系である必要がない
IT の敷居を勝手に上げているのが、「プログラマは理系でないと不利神話」です。実際情報技術の黎明期を支えたのは理系の研究者や技術者で、未だに革新的な技術を提唱する人たちの多くは理系です。ただ、実際システムに携わっている人をみてみると文系と理系は体感的に半分、或いは文系が多いという印象です。革新的な技術開発には必要かもしれませんが、実際プログラミングをしたり、設計をするうえで数学的な知識は重要ではありません。
IT の基本的な概念に情報理論というものがあります。これは例えば、
A = B で、
B = C の場合、
A = C である
といったものです。多くの場合、高度な数学の知識は不要です。どちらかといえば上記の通り理論的な思考が求められます。中学校の数学で学んだ、三角形の証明に近いイメージです。数学的な知見がものをいうのは AI の世界です。それ以外のシステムでは中学の数学知識で充分です。僕自身は高校一年の二次関数で数学に別れを告げましたが、現時点で仕事に困ってはいません。
それでは気になる、敷居の高いポイントを説明しますが、これはどの専門職であってもほとんど共通することをご留意ください。
敷居が高いポイント
なんだかんだいって覚えることが多い
色々と書きましたが、言っても専門職ではあるので、覚えることが多いのも事実です。でも、専門職=誰でもできるものではない職業、と考えると当然ですね。ただ、これまで書いた通り、比較的敷居が低いことはもう一度強調しておきます。
技術の刷新が必要
様々な技術が浮かんでは消える、そんな業界の宿命でもあるのですが、日常的に情報を収集することを心がけないと結構早いうちから時代に取り残されるのは事実です。とはいえ、こちらもほかの専門職も同様であり、IT 業界に特化した話ではないと思います。
どうでしょう。意外と難しくないって思いませんか?専門職であれば、ある程度の時間それを習得するまでに必要なのは当然、と考えると、その中では難易度もそれほど高くない、かつ学習しやすいシステムエンジニアは敷居が低いと言えるのではないでしょうか。
そして学んだ分着実に進歩できるのも魅力です。コンピュータとシステムの根本的な仕組みは変わることがないためです。一度身に付いた技術が、年に数回の刷新で一生使え続ける、結構魅力的ではないでしょうか。
次回は向いている人、そうでない人の特性について言及したいと思います。